第38回 『「令和」改元で注目される、万葉集と和歌山の関連性とは?』

第38回 『「令和」改元で注目される、万葉集と和歌山の関連性とは?』

 平成から「令和」へと改元されておよそ1ヶ月。そろそろ暮らしのなかでも馴染んできた感覚があるのでは? 令和の出典である万葉集への注目が高まるなか、万葉集4516首のうち、和歌山を旅して詠まれた歌は107首。そのなかでも有名なのがこの歌です。

若(わか)の浦に 潮満ち来れば
潟(かた)をなみ 葦辺(あしべ)をさして
鶴(たづ)鳴き渡る

(訳:和歌の浦に潮が満ちると、干潟がなくなるので、葦辺をめざして、鶴が鳴きながら飛んでゆくよ)


これは、神亀元年(724年)聖武天皇が和歌浦に行幸された時に、随行した宮廷歌人の山部赤人が、景勝地・和歌浦と玉津島の美しい魅力を讃えた万葉歌です。和歌山市和歌浦の「塩竈神社」入口には歌碑が建てられています。
 また古くから和歌の神様として多くの信仰を集めてきた「玉津島神社」や、万葉集についての展示・ギャラリーで学べる「万葉館」では、和歌山にいながら万葉の世界に浸ることができます。これら神社、施設は近接していて、徒歩で巡ることができます。風光明媚な和歌浦の風景を眺めながら、和歌山の万葉巡礼を愉しんでみてはいかがでしょう?